高純度石英ガラス製品:使用上の注意

ご使用上の注意

製品はきれいに・・・

石英ガラス製品はきれいに保つことで、より長もちさせることができます。
不純物が表面にほんの少しでも付着したまま高温で使用しますと、この部分が失透し、さらに他の部分へと失透が促進され、寿命が短くなります。
石英ガラス製品は主に高純度を必要とする用途や、高温での使用を目的とした用途で利用されています。
したがって、よりきれいな作業環境で注意して取り扱って下さい。

取り扱いは・・・

石英ガラス製品を直接素手で取り扱わないで下さい。また、製品を保管しておくときはビニール袋にいれるなどして、汚れやほこりが付着しないようにして下さい。

注意!!

  1. ガラス製品ですので、取り扱いには十分にご注意下さい。
  2. 研磨・切断時には粉塵が発生します。防塵マスクを着用するか、防塵装置をご使用下さい。

汚れを落とすには・・・

石英ガラス製品の汚れを落とす時は一般には5〜10%程度のフッ酸(HF)で10分間程洗浄することをおすすめします。
フッ酸洗浄後は十分に水洗いをし、乾燥させて下さい。
洗浄中は途中で乾燥しないよう、絶えずぬれた状態で保ち最後に完全に乾燥して下さい。
汚れがどうしても落ちない場合には濃いフッ酸で洗って下さい。

加熱にあたって

耐熱性は高いが・・・

石英ガラスは耐熱性が高く、普通のガラスに比べて十数倍も急熱急冷に耐えますが、この耐熱性は製品の肉厚が大きくなればなるほど低くなります。大型の製品、とくに不透明石英ガラスの厚肉製品は極端な温度の変化により割れることもありますので、急熱急冷には十分注意してご使用下さい。

製品はアニール処理をしてありますが・・・

透明石英ガラスのアニール点は約1190℃、ひずみ点は約1090℃です。また、不透明石英ガラスの場合にはそれぞれ1080℃、1030℃になります。これ以上の温度で使用した後に急冷しますと、再びひずみを入れることになりますので、大型製品では特にご注意下さい。

締め付けにご注意

石英ガラスは熱膨脹が極めて小さい材料です。膨脹係数の異なる他の材料を締め付けたまま温度を急変させると割れることがありますので、十分にご注意下さい。

炉にいれた時の注意

石英ガラスは熱伝導率が低いため、発熱体に近すぎたり、炎が直にあたったりすると、局部的に加熱されクラックが入ることがあります。また、重量物、あるいは長い管などの製品の場合には1100℃以上ではしだいに変形してくることがあります。石英ガラスの粘性を考慮し、支持方法を工夫して下さい。大形製品は特にご注意下さい。

失透について

石英ガラスの失透とは、石英ガラスの準安定なガラス状態から安定な結晶状態のクリストバライトに変化することをいいます。この現象は、高温で長時間使用した場合や、表面に不純物が付着したまま加熱した場合などに起ります。実用上では表面に不純物が付着していなければ1150℃以下ではほとんど起りません。失透は通常1200℃以上に昇温したときに始まり、温度が高くなればなるほど促進されます。しかし、石英ガラスの表面に不純物が付着していると、極めて微量でも大きな働きをし1000℃以下でも容易に失透してしまいます。特にNa、K、Caなどのアルカリ、アルカリ土類の金属化合物の場合には1cm2あたり0.1mg以下の量でも数十倍、数百倍の失透を起こす原因となります。この他、Al、B、Fe、Ni、Mg、Zn、Cu、Sbなど、大部分の金属やその化合物も付着すれば大きな作用をしますので十分にご注意下さい。

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